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RootFilm

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ベニー松山氏

『ルートフィルム』、紛うことなく傑作である。
 こうしたレコメンドのレビューは話半分、誉めてくれと頼まれて書いていると疑うかも知れない。 私も大概、眉が唾液でべたべたになるくらいに疑り深い。
 だがしかし! その猜疑心に凝り固まった男が適当に遊び始めて、 気がつけばエンディングを涙ぐみながら眺めていたのだ。
 ミステリーものはどうしても後半のほうが盛り上がる。そうでなければいけない。 だから本作の序盤をひと区切り遊んで、もしかするとそのまま積んでしまう人もいるかも知れない。 でもそれはあまりに勿体ない。
張り巡らされた伏線、鳥肌ものの構成の妙、 そしてどんどん好きになってしまう魅力的な登場人物たち……絶対に完走すべきだ。 この傑作ミステリーを楽しみ尽くさないのは人生にとって損だと請け合ってもいい。
 そして私はすでに、まだ行ったことのない島根を訪れたくなっている。 自分にそういうところがあったのかと、本作の効能に驚いているところなのだ。

ベニー松山

ローリング内沢氏

 各所に散りばめられた伏線が一気に回収されると思いきや、そこから2転3転のどんでん返し。 ミスリードを誘う登場人物にまんまと騙され、思わぬ方向に事態が転がっていく緊張感。 心霊、UFO、人体発火、密室殺人、映像トリックなど、さまざまな怪事が盛り込まれた、 まさに"ミステリーの幕の内弁当"ともいえるプレイ感覚。

 アドベンチャーゲームの文法としては比較的オーソドックスなシステムだけど、 キャラクターの立ち位置やカット割り、またパンやズーム、顔検出機能風の選択肢(コマンド選択)など、 フィルム(映像)を題材にした作品だけあり、"画"としてリアリティーのある演出が没入感を高めてくれる。

 島根県の実在スポットが多数登場する舞台も魅力の1つ。 プレイヤーが各地を訪れてストーリーを進めていくゲームシステムとの相性も良く、ちょっとした旅行気分が味わえる。 まるで、ミステリー・サスペンスドラマを視聴するかのように楽しめる手軽さと間口の広さが◎。

ローリング内沢

イラスト/荒井清和

しまねっこ

みんにゃ! しまねっこにゃ
島根を舞台にしたアドベンチャーゲームの最新作
「ルートフィルム」が7月30日に発売ににゃるけど、
ひと足先にルートフィルムを遊んでみたにゃ

島根生まれで島根育ちのしまねっこも
いっぱい登場しているから楽しみにしててにゃ
ルートフィルムは、前作のルートレターと違って、舞台は、
石見地方や隠岐の島にゃど、島根全域ににゃっているから、
島根の魅力的な街並みや神社や史跡がたくさん楽しめるにゃ

ルートフィルムは、幸せいっぱいのしまねっこが
おすすめの島根ゲーム
みんな ぜひ遊んでみてにゃ

しまねっこ

バカタール加藤氏

 アドベンチャーゲームらしいアドベンチャーを遊んだのは、久しぶりだった。
かつて、ゲームの黎明期には多数の名作アドベンチャーゲームが生まれ、 多数のドラマや事件を僕らはゲームの中で体験した。
が、いつのころからか、3D空間の中に入って、 自ら動きまわることがゲームの主流になった。
 だけど、ゲームってもっといろんな表現や手法があっていいんだよ。
じっくり考えたり、事件の真相を推理したり、それを何度かやり直しながら、頭の中を整理していく楽しみ。
そして、登場するキャラクターを動かす楽しさではなく、 彼らや彼らが置かれた状況を冷静に見つめて、解釈する楽しさ。

「良質なアドベンチャーゲームの醍醐味って、こういうことでしょ?」っていう主張がこのゲームにはある。
優れた絵と声と文字があれば、刺激的な体験は僕らの脳内で起きる。
そうだった。…と再認識させてくれるゲームでした。

 最後に、個人的に、八雲と曲のコンビ(後半+1人)が最高なので、 シリーズとして続いてほしいです、ペコリ。

バカタール加藤

イラスト/荒井清和

平林 久和氏

昨年から対話型のマーダーミステリーゲームにはまっていて、数十本のシナリオを仲間と遊んだ。情報を集めて推理して、 犯人を当てるゲームはやはり楽しい。古くからあるミステリーゲームは、今もなお進化している。
 ところで『ルートフィルム』を遊んでみたら、びっくりするくらい「本格ミステリー」だった。 公式サイトで流れるBGMから連想するホラーな感じ。箕星太朗さんがデザインしたキャラクターのかわいい感じ。……とは少し違った。骨太な謎解きゲームの印象を受けた。
 日本語として定義が曖昧な「本格ミステリー」は英語にすると、その意味はしっくりくる。 パズルストーリー(puzzle story)と言う。『ルートフィルム』は演出でごまかすことをしない、よくできた物語のパズルだ。 犯行現場の様子、土地の由来や歴史、登場人物の証言、証拠品の数々。これらをタイムラインに並べて犯人を探して追い詰めていくのが楽しい。
 「フィルム」をモチーフにしているので、当然のことながら映画的表現技法が充実している。 物語の結末を「勝負」で決めるマックスモードは、いかにもゲーム的でおもしろい。 けれども『ルートフィルム』を遊んでいると、一冊の本にしてじっくりと読みたい、という欲求もわいてくる。繰り返すが、そんな気持ちにさせる「本格ミステリー」だった。

平林 久和